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65歳以上への継続雇用年齢の引上げに向けた検討を開始(政府の未来投資会議) (2018年10月10日)
首相官邸ホームページに、平成30年10月5日に開催された「第19回 未来投資会議」の資料が公表されました。
今回の会議において、「成長戦略の方向性(案)」について議論が行われました。
新たな成長戦略では、「社会保障制度改革」、先端技術を生かした「第4次産業革命」、「地方対策強化」が主要なテーマとされています。
社会保障改革では、企業の継続雇用年齢を65歳よりも引き上げるため検討を開始することとされ、そのことが、報道機関でも大きく取り上げられています。
この件について、安倍総理も、次のようにコメントしています。
●生涯現役社会の実現に向けて、意欲ある高齢者の皆さんに働く場を準備するため、65歳以上への継続雇用年齢の引上げに向けた検討を開始します。この際、個人の実情に応じた多様な就業機会の提供に留意します。
あわせて新卒一括採用の見直しや中途採用の拡大、労働移動の円滑化といった雇用制度の改革について検討を開始します。
現行の高齢者雇用安定法では、すべての希望者を65歳まで雇用することが企業に義務づけられていますが、同法の改正が行わることにことになるかもしれません。
社会保険に加入すべき従業員が国保に加入するケースを防ぐ取組みを実施 (2018年10月10日)
厚生労働省から、「国民健康保険の被保険者資格に係る確認事務の実施について(平成30年6月27日保国発0627第1号)」が公表されています(平成30年10月1日公表)。
この通達(通知)は、事業所に勤務し、本来は健康保険や厚生年金保険に加入すべきでありながら、国民健康保険や国民年金に加入している方がいる可能性があることを踏まえ、国民健康保険の被保険者資格の適正な管理を促進する観点から、年金事務所と連携した資格確認事務の取扱いについて、まとめられたものです。
そのような資格確認については、平成29年度から各市区町村の窓口に社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入に関するリーフレットを設置するほか、窓口で年金事務所への相談案内等が行われてきました。
そして、平成30年6月からは、各市区町村で更なる取組みを行うように、厚生労働省から通達が発出されました。それが、今回公表された通達です。
これによると、次のような取組みが進められています。
●市町村窓口による被保険者資格確認事務
国民健康保険の加入手続きや納付相談等のために国民健康保険担当窓口に来所された方に、状況に応じて就労の有無を聴取し、就労していることが明らかとなった場合に、周知用リーフレット(後記の別添1)を渡して健康保険・厚生年金保険の適用の考え方を説明する。
その上で就労状況等に関する確認票(後記の別添2)に記入を依頼して、健康保険・厚生年金の適用の可能性がある場合には、年金事務所へ回付し情報提供を行う。ただし、窓口において記入が困難な場合などは、確認票を渡して所管の年金事務所へ相談に行くよう案内を行う。
就労状況等に関する確認では、現在の働き方について、1週間の労働時間数を確認するようになっています。そして、必要があれば、勤務先名、所在地、電話番号、勤務期間を記入することになっています。
この取組みにより、健康保険・厚生年金保険への適正な加入が行われていないような事業所では、従業員が国民健康保険への加入手続きを行うことで、年金事務所の調査が実施される可能性もありますね。
適正な加入が行われているか、今一度、確認しておく必要があるでしょう。
大手電機メーカーで裁量労働制の3人が労災認定、過労自殺も (2018年10月1日)
「大手電機メーカーの男性社員5人が、平成26〜29年の4年の間に、長時間労働による精神障害や脳疾患を発症し、労働基準監督署に労災認定されていたことが、平成30年9月27日、分かった。そのうち3人は裁量労働制の適用を受けていた。」といった報道がありました。
裁量労働制の適用をうけていた3人(労災認定は平成27年3月〜29年8月)のうち、同社の製作所で勤務していた当時40代の社員は平成28年2月に過労自殺、2人は脳疾患を発症したとのことです。
また、別の製作所で勤務しており過労自殺したの当時20代の社員や、労災認定を公表した社員も、将来的には裁量労働制が適用される可能性の高い業務だったとのことです。
同社は、労災認定とは無関係としながらも、約1万人に適用してきた裁量労働制を平成30年3月に撤廃していますが、実態はどのようなものだったのか? 今一度調査し、原因を究明する必要がありそうです。
裁量労働制については、平成30年6月に成立した働き方改革関連法に、その対象拡大を盛り込む予定でしたが、同制度をめぐる調査結果に異常値が含まれていたといった問題が発覚。その批判を受けて、裁量労働制の対象拡大の部分を法案から削除する事態となりました。
先にもお伝えしたとおり、平成30年9月20日には、「第1回裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」が開催され、厚生労働省は、その結果に基づき、来年(2019年)にも、裁量労働制の実態について再調査を行うことを目指しているようです。
このような事案があっても、対象拡大にこだわるのか? 今後の動向に注目です。
〔参考〕裁量労働制
裁量労働制は、簡単に言えば、実際に働いた時間に関わらず一定の時間働いたとみなし、残業代込みの賃金を支払う制度です。
専門業務型(労使協定で導入)と企画業務型(労使委員会を設置して導入)の2種類があります。
ちなみに、上記の事案が起こった企業では、両制度を一定割合ずつ採用していたようです。
健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大 本格的な議論を開始 (2018年9月20日)
厚生労働省から、平成30年9月14日に開催された「第4回社会保障審議会年金部会」の資料が公表されました。
今回の主要な議事は、「被用者保険の適用拡大」です。
被用者保険(健康保険・厚生年金保険)については、平成28年10月から、短時間労働者への適用拡大が図られましたが、その範囲をさらに拡大してはどうか? というのがこの議論です。
短時間労働者や高齢者が、本人の希望に応じて意欲や能力を活かし就労していく中で、年金制度の担い手になることにより、老後の所得保障を確保する仕組みを目指すという方向性の一つです。
具体的には、平成28年10月からの短時間労働者への適用の5要件((1)週労働時間20時間以上、(2)月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)、(3)勤務期間1年以上見込み、(4)学生は適用除外、(5)従業員501人以上の企業等)を、見直して、更なる適用拡大を図ろうとするものです。
どこを、どのように見直すのか、今後の動向に注目です。
さらに、2つ以上の事業所に勤務する者の労働時間を通算することなどについても検討が進められることになりそうです。
今後、平成31(2019)年9月までに更なる適用拡大について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を実施するとのことです。
しかし、短時間パートさんに支えられている小売業や飲食業等は大変なことになりそうです。大手企業と中小企業との標準報酬月額の差別化など、加入促進を進めるならば、事業主負担も考慮していかなければならないのではないでしょうか。
平成30年度の地域別最低賃金 厚労省が全国一覧を公表 (2018年9月10日)
厚生労働省から、平成30年度の「地域別最低賃金の全国一覧」が公表されました(平成30年9月6日公表)。
すべての都道府県における平成30年度の地域別最低賃金額(時給)と発効年月日が掲載されています。
これまでに、中央最低賃金審議会が示した「平成30年度地域別最低賃金額改定の目安」に対して、平成30年8月10日までに各地方最低賃金審議会が答申した地域別最低賃金額を紹介していましたが、金額については、その時から変更されることなく決定されたようです。
なお、発効年月日については、一部の都道府県でその時の予定から変更されています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
発効年月日を含め、確認しておきましょう。
<地域別最低賃金の全国一覧>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html